「着物と和服は同じ?」そう思われたことはありませんか?
和服はかつて、今のように特別なときに着る服ではなく毎日の生活で着る普段着でした。
和服とは、日本で昔から着用されてきた衣服のことです。江戸時代末期から明治時代にかけてアメリカやヨーロッパの衣服が日本に伝わり、洋服とよばれました。この「洋服」に対しての日本の衣服を「和服」とよぶようになったのです。
江戸時代末期に撮影された和服の人々
出典:昭和からの贈り物
明治時代の女学生の洋服姿
「和服=着物」
日本ではかつて衣服全般のことを「着るもの」という意味で「着物」とよんでいました。けれど日本に洋服が伝わり日本従来の衣服を「和服」とよぶようになると、「着物」も「和服」と同じ意味で使われるようになりました。現在「着物」は和服全般を意味するほか、和服のなかでも特に「長着」を指す言葉としても使われています。
呉服と着物は同じ?
着物を販売してる店を「呉服店」「呉服屋」といいます。
「呉服」はもともと3世紀に中国にあった呉の国から日本にやってきたとされる機織り(はたおり)の技術者のこと。「呉服(くれはとり)」と呼ばれていました。その技術者がつくる織物(布地)も「くれはとり」とよばれ、やがて「ごふく」と呼ばれるように。
江戸時代には絹織物を「太物(ふともの)」と呼んで区別し、呉服屋は絹織物を販売する店でした。現在、呉服は絹織物をふくめた織物全般をさす言葉になりました。着物と同じ意味で使われることもあります。
大阪府池田市には、日本に呉服を伝えたとされる呉服媛(くれはとりのひめ)をまつる呉服神社(くれはじんじゃ)があります。