2017/09/01

秋単衣_菊柄と有職文様の帯【着物コーディネート37】

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9月に着る単衣の着物を秋単衣といいます。菊柄の秋色単衣を、9月9日、重陽(ちょうよう)の節句に当てはめるのはいかがでしょうか。

重陽の節句は「菊の節句」とも呼ばれます。起源は他の節句同様、中国にさかのぼります。中国では奇数を縁起のよい陽の日とし、3月3日、7月7日など奇数が重なる日を幸多い日と考えました。中でも一番大きい陽の数、9が重なる9月9日を「重陽」と呼びました。菊の香りを移した菊酒を飲み、邪気を払い長命を願うという風習があります。

9月9日 重陽の節句(菊の節句)の楽しみ方

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重陽の節句は五節句のひとつ。現在は五節句の中でも影が薄くなりましたが、五節句を締めくくる行事として昔は最も盛んだったといわれています。

1月7日人日の節句(七草の節句)
七草粥などを食し、その年の健康を祈願します。

3月3日上巳の節句(桃の節句)
雛人形を飾り、ちらし寿しやはまぐりのお吸い物を食し、女子の節句として健やかな成長を祈願します。

5月5日端午の節句(菖蒲の節句)
五月人形やこいのぼりを飾り、粽や柏餅を食し、菖蒲湯に浸かり、男子の節句として健やかな成長、立身出世を祈願します。

7月7日七夕の節句(笹の節句)
短冊に願いを書いて笹に吊るし、夢成就を祈願します。

9月9日重陽の節句(菊の節句)
菊酒や菊の被綿(きせ わた)を使い、菊の薬効により健康や不老長寿、繁栄を祈願します。

重陽の節句は収穫の時期にもあたるため、庶民の間では「栗の節句」としてお祝いをしていました。今も太宰府天満宮の秋思祭(しゅうしさい)など、各地で菊を愛でる祭りや行事が催されています。

重陽の節句の主役は菊。お酒や湯船に菊の花びらを浮かべ楽しむ他、菊文様の着物を着ることで見るひとにも楽しんでいただければうれしいです。

秋色の単衣

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菊は秋を代表する花ですが、実際は四季を通して見られます。着物や帯の文様としても頻繁に見られますので、よほど写実的ではないかぎり四季を通しご使用いただける文様だといえます。こちらのしっとりとした秋色の単衣は、やはり秋がふさわしいです。

 

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有職模様の帯

帯は有職模様(ゆうそくもよう)。織りの模様は改まった趣があります。季節感がないので年間を通して使うことができます。

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菊の文様

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菊文様は日本でも古くから愛され、能装束などにも残されています。パスポートの紋章として使われているように日本を象徴する文様ともいえますね。

菊の文様は写実的なものから光琳菊(こうりんぎく)のように花や葉を簡略化して描いたものまで種類も意匠もさまざま。ほかの文様と組み合わせることによって季節を問わず使える文様です。

菊は秋草のひとつ。楚々(そそ)とした秋の文様として存分に楽しみたいですね。

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